「アメフラシ」は山形県長井市を拠点とする2015年に結成されたプロジェクト集団です。
廃工場を活用した「Kosyauプロジェクト」をはじめ、多彩な活動を展開しており、Kosyauはアメフラシの拠点であると同時に、市民アトリエとしても開かれた場となっています。
固定メンバーに限らず、アートや地域文化に関心を持つ多様な人々が有機的に参加し、ワークショップやイベントを通じて、地域と共に場を育む実践が行われています。
2017年からはじまった「アーティストの冬仕事」では、長井市の草鞋づくり技術の継承・普及や、素材となるホウキモロコシの栽培から製作までを一貫して担う「金井神箒(かないがみほうき)」の復活を目指すプロジェクトなど、失われつつある手仕事の技術と文化継承に取り組んでいます。
アメフラシのメンバーの案内で、筆者(池田佳穂)がKosyauを訪れた際、スタジオや事務所としての機能に加えて、イベントスペースや飲食スペースも備えられており、思わず長居したくなるような居心地のよさを感じました。必要なところから修繕されているため、廃工場の痕跡も各所に残され、さまざまな時代と人々の手仕事が交差する空間として、心に残る場所でした。