岡山駅西口、昭和の面影を色濃く残す奉還町商店街。その西端の奉還町4丁目に、食・音楽・映画・アート・サロン・図書室・手仕事の場といった多彩な要素を内包した空間「ラウンジ・カド」はある。奉還町は、かつての賑わいを残しながらも、空き店舗が目立つエリア。しかし近年では、世代交代や新たな挑戦を通じて、少しずつ新しい息吹が吹き込まれている。そんな変化の中、多様な人々が行き交う岡山のカルチャー発信拠点のひとつとして、ラウンジ・カドを紹介したい。
母体は、地元の建築家・不動産業・アーティスト・学生などが立ち上げた「NAWATE PROJECT」。4丁目界隈で空き家を利活用し人と人が繋がることを目的に、2013年築70年の空き家を改修した複合施設「NAWATE」と、ゲストハウス「とりいくぐる」の運営から活動がスタートした。とりいくぐるのラウンジや、NAWATEの中庭で度々イベントを行うが、利用者の増加や、静かな環境を求める旅行者との共存の必要性から、2016年、新たに元パン屋の空き家を改修して飲食とイベントのスペース「ラウンジ・カド」をオープンさせた。
開店当初より中心になって運営を進めるのは、大学で都市計画や公共経営学を学んだという成田海波さん。都市における文化創造の場への関心と、持ち前の幅広く旺盛な好奇心が、カドの多彩な企画やイベントの原動力となっている。カドの魅力は、日常と非日常が自然に交差するひらかれた雰囲気。奉還町の暮らしの延長にありながら、界隈に立ち寄る旅人やアーティスト、研究者、地元客などが往来し、ふと見知らぬ世界と出会うことができる。食と酒を交えて交流すれば、自然と会話も弾むというもの。そこから次の企画や活動が生まれたりもする。成田さんはカドのコンセプトを「街を眺めながら食べたり飲んだり歌ったり話したりする場所」と表現する。行き交う人がラウンジ・カドを介して有機的な表現体となり、多様な主体が参加する。その連続性がラウンジ・カドという場をつくる。ここでは肩肘張らないひらかれたアート的運動が繰り広げられている。



画像提供:ラウンジ・カド

- オープン
ラウンジ・カド
住所:岡山市北区奉還町4-7-22