MOMENT Contemporary Art Centerは、2025年2月に奈良市三条通沿いに開設された現代美術のアートスペースである。MUZ ART PRODUCEと、DMG森精機グループの財団である森記念製造技術研究財団によって運営され、地域社会へのメセナ性を帯びた新たな文化基盤として位置づけられている。ディレクターはカルドネル島井佐枝が務め、展覧会、レクチャー、ワークショップ、アーティスト・イン・レジデンス、イベントなどを通じて、芸術が日常に非日常の「瞬間」をもたらすことを目指している。オープン時には奈良出身、在住の作家・今西真也の個展「あした、しらない、いき」を開催し、カナダの写真家セルジュ・クレマンによるコロナ禍前後の都市の風景を捉えた「Post Huis Clos」、さらには放射線という主題を扱った「不可視への眼差し/Rays out of Sight ― Art and Radiation, A visual chronology since 1945」といった企画を展開し、社会的テーマを軸に新たな視覚体験を提示してきた。こうした取り組みは、奈良という歴史的都市において現代美術を通じた批評的思考を喚起するとともに、観客に多様な発見を促す。また今後は、教育普及の側面にも注力する予定である。MOMENTは、展示と滞在制作、地域社会との対話を重層的に組み合わせることで、奈良を起点とした芸術の新たなエコシステムを構築しようとしている唯一無二のアートセンターである。

© Ryo Matsui Architects Inc.

MOMENT Contemporary Art Center(2025年)
Photo by Haruka Oka

MOMENT Contemporary Art Center(2025年)
Photo by Haruka Oka
