AIR motomoto

「駄目で元々」を力に変える、荒尾のマイクロ・アーティスト・イン・レジデンス

AIR motomoto(エア・モトモト)は、熊本県荒尾市に拠点を置くマイクロ・アーティスト・イン・レジデンス施設である。アーティストの宮本華子が親戚が持つ建物を活用して2020年に立ち上げ、名称は「Kumamoto」と「Miyamoto」に由来し、「駄目で元々」の意味も込められている。一見ネガティブに見える言葉を前向きに転じ、アーティストがリラックスして自分の時間を持てる場を目指している。運営は宮本とヴァレリア・レイエスの二人で担われ、招聘は公募ではなく宮本のネットワークを通じて選出される。活動は国内外の作家の招聘と滞在制作、調査の補助、展覧会やイベントの企画に及ぶ。2020年にはベルリン在住作家を迎えて試験的に始動し、ガビー・タブリック(2020)を皮切りに、ミロスラバ・クッツ(2021)、アナベル・カストゥロ(2022)、井上修志(2023)、畑直幸(2024)、スペックス・ヨハネス&ドニカ・マリ(2024)、長嶺慶治郎(2025)と、国内外のアーティストをつなぐプログラムとして注目を集めている。また一方で、産業遺産である万田坑を会場とした「万田坑芸術祭」を立ち上げ、地域の歴史や環境を題材にした新しい文化活動を推進している。この試みは、かつて炭鉱で栄えた土地に現代美術を根づかせ、地域住民や外部のアーティストとの対話を促すものとして評価されるべきである。このようにAIR motomotoは、アーティストランの小規模な体制でありながら国際的な交流を生み出し、地域資源を活かした文化の芽として独自に発達している。アーティストにとっては自由で柔軟な制作環境を提供し、地域にとっては芸術を通じた新たな接点を創出する随一の拠点である。

ガビー・タブリック個展「Obebemono」展示風景
2020年
井上修志個展「一周の螺旋は円にも見える」展示風景
2023年
スペックス・ヨハネスとドニカ・マリ成果展「OSEIBO NASHI NETWORK」 荒尾梨談笑会風景
2023年


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AIR motomoto

住所:〒864-0012 熊本県荒尾市本井手749−4・1F