Do a front

「近所で面白いことが起きている」から始まる芸術──Do a Frontの思想と実践

山口市を拠点とする「Do a Front」は、衰退しつつある伝統文化や空き家を、芸術にとって重要な資源として再解釈するオルタナティブ・アートスペースです。現ディレクターの蔵田章子によって立ち上げられ、その個人的な背景が深く関わっています。600年以上続く伝統芸能「鷺の舞」を愛好していた祖父の逝去をきっかけに、藏田は「すべての伝統芸能もかつては現代芸術だった」という気づきを得ました。これを機に、彼女は実家をサイトスペシフィックな実験的アートの場へと改装し、2012年にアーティスト・イン・レジデンスを正式に開始しました。

現在 Do a Front は、展覧会やワークショップ、レジデンスを運営し、歴史ある洞春寺と協働するなど、アーティストと地域社会を結びつけています。組織の理念は、完成品よりも制作のプロセスを重視することにあり、アーティストの眼を通じて日常の風景を見直すことで、思いがけない意味を発見できると考えています。地域に開かれた身近な場所でイベントを開催することで、現代アートにありがちな「敷居の高さ」を取り払い、「近所で面白いことが起きている」と感じられる場をつくっています。

活動の中心にあるのは、食事を共にすることから始まる家族のように深い関係性づくりです。使用する会場が歴史的建造物であるため活動は秋に集中しますが、この制約はむしろ強みとなりました。毎年秋になると、世界各地からアーティストが集い、プログラムは喜びに満ちた多文化的な祭りへと姿を変え、地域の生活リズムに国際的な創造精神を溶け込ませています。

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  • セミオープン

Do a front

住所:〒753-0032 山口県山口市堂の前町1−9