まちなかぶんか小屋

ひらかれ続ける文化の小屋

旭川の「まちなかぶんか小屋」を初めて知ったのは、松山の戸館正史さんにご紹介いただいたときのことだった。自分たちがやりたかったことをすでに実現している場所があるという驚きと感動を覚えている。まちなかぶんか小屋は、2013年に旭川市の空き家対策事業として設立され、市の補助金を受けて半年間の試験運営を行ったのち、2014年から自主運営に移行した。運営を担うのは「まちなかぶんか推進協議会」であり、年間最大484回にも及ぶイベントを開催している。審査なしで芸術文化に関わる多様な表現を受け入れている点が特徴で、「どこまでも開こうとしている」場であるという印象を受けた。 また、公共空間のあり方に強い関心を持つスタッフが運営しており、居場所のない人々に対してもひらかれた、送り手と受け手が循環する文化拠点として機能している。スタッフの竹田郁の見解によれば、多層的で雑多な文化が育まれてきた背景には、大正から昭和にかけて旭川がアナーキストの拠点の一つであったという歴史があるようだ。アナキスト・グループ「鎖断社」による女性解放運動、軍都として多くのエリートがいたこと、演劇を中心とした文化活動、そして喫茶店が文化を支えていた時代背景などが、雑多な人々や社会運動と交差し、多様性と自立性を併せ持つ場の形成に寄与してきたのではないかという。まちなか文化小屋の斜め向かいには、ゆっくりと本を読むことができる「こども冨貴堂」や、絵本作家・あべ弘士が運営する「ギャラリープルプル」など、文化の香りが漂うエリアが形成されていて旭川のポテンシャルを強く感じることができる。

記事のサムネイル
  • オープン

まちなかぶんか小屋

住所:北海道旭川市7条通7丁目 右10