新潟・市民映画館シネ・ウインド

1985年、市内にあった名画座の閉館を機に、当時印刷会社勤務の齋藤正行氏(現代表)らが「ないなら自分たちで作ればいい」と一口1万円の出資を広く呼びかけて立ち上げた市民出資の常設映画館。特定の資本や行政に頼らず、入場料収入や会費、有志のボランティアに支えられ独自の歩みを続ける。

2025年には「KEEPプロジェクト」で1,176万円の寄付を集め最新のデジタル映写機を導入。今なお35mmフィルム映写機も現役に維持する。約2万冊の書籍を所蔵する書庫には、市民が自ら企画・取材・執筆・校正までを手がけ、創刊から毎月発行される会報誌『月刊ウインド』のバックナンバーが、草の根の文化を網羅する生きたアーカイブとして並ぶ。

映画上映に留まらず、のちに写真家・牛腸茂雄の軌跡を追う佐藤真監督のデビュー作『阿賀に生きる』の製作を初期から支え、手塚治虫の長男である手塚眞監督の映画『白痴』(坂口安吾原作)の製作・誘致にも貢献。館内には新潟市出身の作家、坂口安吾を偲び、その世界観や功績を後世に伝えるために1987年に結成された市民団体「安吾の会」事務局もあり、毎月の読書会を重ねる一方、行政主催の安吾賞選考にも関わり、美術家・会田誠の受賞を後押しして波紋を呼んだ。

映画の「窓」として機能しながら、後発の「新潟絵屋」の立ち上げメンバーをはじめ、新潟の主要な文化活動の担い手たちを多く輩出してきた。同じ映画を見て違うことを感じ、お互いを認め合う体験の場になってくれればいいという創設時からの齋藤氏の思いは、新潟に新しい「風」を起こし、あつめている。

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新潟・市民映画館シネ・ウインド

住所:新潟県新潟市中央区八千代2丁目1-1 万代シテイ第二駐車場ビル