「時の海 - 東北」は、現代美術家・宮島達男が2015年から取り組んできた長期的なアートプロジェクトである。東日本大震災の犠牲者への鎮魂、記憶の継承、そして未来への共創を目的に、参加者一人ひとりがLEDカウンターの速度を設定し、それぞれの想いを託すことで、3,000人規模の集合的な作品を形成する。プロジェクトは2027年に福島県富岡町に「《時の海 - 東北》美術館(仮称)」の建設を予定しており、設計は建築家・田根剛が担当する。その実現に向けた準備室として2024年に富岡町に活動拠点が設けられ、そのスペースを利用し「月の下アートセンター」がスタートした。このアートセンターでは、アーティストや住民が共に学び、語り合い、創造する場としてワークショップや展示を展開。アートを通じて震災の記憶を未来へとつなぐ実践が進められている。

