国立奥多摩美術館

山奥の狂気

2012年にオープンした、一般通念としての「国立」でも、「奥多摩」でも、「美術館」でもない「国立奥多摩美術館」。結局のところ、この場所が何かといえば、JR青梅線軍畑駅から徒歩20分の山中にある製材所跡地を利用した巨大な共同アトリエ。メンバーは館長こと佐塚真啓、副館長こと永畑智大、美術家の和田昌宏をはじめとした複数のアーティストたちが利用している。利用者同士は強い信頼関係が築かれており、コレクティブとしても機能している。アトリエ利用の他にも、定期的に展覧会やイベントも開催。これまでに奥多摩美術館プロデュースの現代アートのグループ展や個展の他、国立奥多摩映画館と称し4つのスクリーンブースを設けたシネマコンプレックスを山中に創出させたこともある。近年では、2022年と2024年に、近隣に位置する御岳渓谷を舞台に、ラフティングを行いながら川沿いのアートを鑑賞する『芸術激流 ラフティング+アート』という企画を開催し大きな話題を集めた。東京の山奥で独自の芸術を発信し続ける、死ぬ前に一度は行った方がいいアートスペース。

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国立奥多摩美術館

住所:東京都青梅市二俣尾5-157