ASAKUSA

キュレーションの新たな形を模索し続ける、小さなグローバル・アートの現在地

浅草の小さな一軒家を改装し、2015年10月に大坂紘一郎のディレクションのもと設立されたプロジェクト・スペース。2017年に三上真理子が加わり、来日制作プロジェクトを開始。現代美術の理論や思想の潮流を踏まえたカッティング・エッジなプログラムを数多く手がけている。小規模ながらグローバルなアートシーンとの継続的な対話を続けるASAKUSAは、日本のアートシーンにおいて稀有な存在であり、ヒト・シュタイエルやアントン・ヴィドクル、ミヌク・イムなどの国際的に活躍するアーティストとの協働を行ってきた。また、キュレーターがディレクションをするスペースとして、従来のキュレーションのあり方に疑問を投げかけて続けており、キュラトリアルの現在地を常に刷新し続けている。それゆえ狭義の展覧会実践を超えて、プロセス・ベースのパフォーマティヴな企画からディスカーシブな場の創出など、現在進行形で広く「キュレーション」について思考を続けている。オルタナティヴだからこそできる展覧会制作にとどまらないキュレーションのあり方は、若手世代のキュレーターにも多くの影響を与えている。

写真:新澤 一平
ヒト・シュタイエル Q&Aセッション(モデレーター:アンドリュー・マークル、通訳:田村かのこ)、アサクサエンターテイメンツ2018より(浅草東洋館、2018年)写真:村田冬実
ミン・ウォン「偽娘恥辱㊙︎部屋」展でのオープニングピロートーク(アサクサ、2019年)写真:大坂崇