WHITEHOUSE

既存の展示のあり方を問い直し続ける場

Chim↑Pomの卯城竜太、アーティストの涌井智仁、ナオ ナカムラの中村奈央により2021年にスタートしたオルタナティヴ・スペース。その建物は、かつてネオ・ダダの活動拠点であり、かつそのリーダー・吉村益信の住居であった「新宿ホワイトハウス」。その前衛的な先駆を地盤に抱えつつ、そのような歴史にとらわれない独自の実験的な企画を数多く仕掛けている。2021年のオープン当初は、会員のみが展示を鑑賞できるパスポート制度を導入していた。これは2019年のあいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」へと寄せられた脅迫および検閲を受けて、メンバーの卯城が述べるように、無責任な「大衆」から「観客」を切り離し、後者に芸術鑑賞への覚悟を求めるシステムであった。後にシステムを改め、現在は一部のプログラムを除き一般来場者にも門戸を開いている。若手の実験的な個展やエッジィなグループ展などの展覧会に加え、現代美術にとどまらないイベントやパフォーマンス、販売会など、従来の展示方法を問い直すような革新的な試みを続けている。