Gallery Trax

“Traxには行った?”——移住ブームの聖地となったカルチュラルスペース

山梨の話題になると、決まって「Traxには行った?」という会話が交わされる——そんなやりとりは90年代から世代を超えて受け継がれてきた。Traxに足を運ぶこと自体が、都市ではないどこかの可能性を探る行為であり、バブル期以降に加速した移住ブームのモデルケースとなっている。
このスペースをつくった故・木村次郎は、古材を活かしたインテリア制作やリノベーション建築の第一人者であり、都市から離れた新たなライフスタイルを模索する移住者やアーティストたちに大きな影響を与えた。現在は三好悦子がオーナーを務め、90年代後半からはファッション、イラスト、音楽などカルチャーシーンと接続するアーティストたちの展覧会を企画している。五木田智央、川内倫子、伊藤桂司、高橋恭司など、多彩な作家たちの初期キャリアを支える場にもなった。
この流れは今も続いており、Traxは移住者たちのコミュニティスペースであり、新しい表現の実験場として開かれ続けている。

撮影:斉藤圭吾
撮影:斉藤圭吾
撮影:斉藤圭吾
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Gallery Trax

住所:山梨県北杜市高根町五町田1245