CAI現代芸術研究所は、前身であるリーセントギャラリー時代(1990-1999年)から札幌で現代美術のギャラリー、アートプロジェクトの企画、アートスクールの3本柱で活動してきた。2000年にCAIと屋号を変え、拠点を移しながら2020年12月、札幌護国神社裏手にCAI03を開設。現在はスクールの運営を終了したが、さっぽろアートステージや500m美術館、炭鉄港アートプロジェクトなど、札幌市や北海道の文化事業を担いながら、ギャラリーでの展覧会を年に6〜10本開催するなど札幌のアートシーンをオルタナティブに牽引している。運営は代表の佐野由美子とアーティストの端聡の2名によるもので(たった2名でこれだけやっていることにも驚愕なのだが)、端聡は2014年に開幕した札幌国際芸術祭(SIAF)の発起人の1人であり、佐野はサッポロ・パラレル・ミュージアムなど他社が手掛けるアートプロジェクトのコーディネート業務も携わっている。ギャラリーでは作品販売のみならず、若手の育成や発掘など教育普及の側面も大きく、現代美術を地方都市に根付かせるというCAIが耕している土壌を、これからどのように豊かに継承していけるかが次世代の課題だろう。

