第2三沢コーポ

暮らしと表現が同居するアートアパート──広島のご近所型コンプレックス

広島市現代美術館のある比治山から平和大通りにくだり、京橋川沿いに少し南に下った場所に位置する。1977年に建てられた4階建て16部屋のアパート。2017年に大家である三澤正明さんがDIYの受け入れをはじめ、アーティストが入居したことがきっかけとなり、口コミでアート関係者の入居が増えていった。一般家庭の方が暮らす部屋もある一方、今ではアトリエ、本屋、ギャラリー、レジデンスなどが集まる自然発生的なアートコンプレックスとなっており、広島のアートシーンでも存在感を放っている。筆者自身も、2024年秋から美術館の学芸員2人とともに一室をシェア中。用途はあえて定めず、広島を訪れるアーティストやサポーターが宿泊したり、集まって鍋を囲んだり、作品を見て語り合ったりしている。別の部屋に鍋や調味料や布団、プロジェクターをを借りに行くなど、自宅よりむしろこちらでのほうがご近所さんとのコミュニケーションがあるかもしれない。大家さんの音頭で年に一度(10~11月ごろ)「オープンデー」が設けられる。この日には参加可能な部屋が一斉に一般開放され、多くの人が訪れる。

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  • セミオープン

第2三沢コーポ

住所:広島県広島市中区鶴見町9-11