基町ショッピングセンター内に位置する。レトロな店の前には作品らしきものとソファー、なぜここにあるかよくわからないガラクタのようなものまでが雑多に並べられており、通るたびに気になりつつも入ることができずにいた。そもそも営業しているかどうかもぱっと見よくわからない。
よく知る美術作家の古いお仲間がこの店をしているということを知り、ついに足を踏み入れることができたのが2022もしくは23年ごろだったと思う。この地で育った美術作家山本満晴さんが、母親の喫茶店を引き継いで営業しており、コロナ禍に「Art Studio Hiroshima」の看板も加わったそうだ。「近くにいます、電話ください」と電話番号が書かれた貼紙があり、電話すると「すぐいきます！」と駆けつけてくれた。喫茶店兼アトリエの店内はバックヤードまで山本さんの作品が所狭しとあり、山本さんは初めて訪れる私に、制作中の新作とその題材となった尿路結石まで見せてくれ、その結晶の美しさを語ってくれたりする。
山本さんの親しみやすい人柄とホスピタリティに惹かれ、地元の方、アーティスト、学生、県内外、国内外からも様々な人が吸い寄せられるように訪れる。集った仲間でアンデパンダン的な展覧会が開催されるなど、引力をもった不思議空間である。
- オープン
Art Studio Hiroshima（喫茶ベリア）
住所：広島県広島市中区基町19-2-402基町ショッピングセンター内